Hearthstone Arena 『デッキの型』
今回は、ハースストーンのアリーナで仕上がるデッキの型を分類していく。
とはいえ、数多の対戦型カードゲームにおいて、デッキ作りというものは概ね似通っているように見て取れる。
種別として、アグロ、ミッドレンジ、コントロール、コンボといったようなものが広く認知されているだろう。
今更、考察すべきものではないかもしれないが、詳細な部分では個々人の主観が入ってくるものと感じ、敢えて偏見を連ねていこうと思う。
さて、デッキの型を知ることは、プレイヤーにとってどのような恵みをもたらすだろうか。
少しくさい話になるが、人が何かを為そうとする時、道しるべとしてアイデンティティ(帰属意識、識別)がある。
アイデンティティは、性別、生まれ育った環境、文化圏、所属する団体など様々であろう。
己は何者か、という問い。
それを掘り下げることによって、他との関係性が浮き彫りになっていく。
己を知ることによって、外部の世界に対して何を為すべきかを悟るのである。
と、なにやらカードゲームとは関係ないような文になったが、つまりデッキタイプとはアイデンティティのようなものではないか。
作ったデッキがどの型に帰属するのか理解することによって、行動の指針を得るのである。
大局が判れば、難しい選択を迫られた際に迷いを断ち切れる可能性がある。
結果的に失敗したとしても、行動に意味を持たせることは、やがてバランス感覚の向上に繋がるはずである。
それでは、アリーナにて考え得るデッキの型を下記にまとめてみる。
『アグロ型』
1~3マナ域のミニオンを充実させて速攻を仕掛ける型。
カードアドバンテージを放棄して、ライフアドバンテージとテンポアドバンテージに特化。
相手の挑発ミニオンを除去スペルや沈黙で退け、ひたすらにフェイス攻撃を目指す。
或いは、ミニオンを最速で盤面に大量展開してバフを加え、相手のトレードを手遅れにさせる。
環境にもよるが、アリーナではおそらくアグロ(攻撃性)型は少数派であろう。
テンポアドバンテージに最も適してはいるものの、ランダムなカードピックの中で、一貫性を持った美しいデッキを作成することは難しい。
性質として、うまく回れば瞬く間に相手のライフを削りきるが、コントロール型などに序盤を捌かれるとリソース不足による再起不能に陥りやすい。
『ミッドレンジ型』
3~5マナ域のミニオンを充実させて1対2トレードを狙う型。
スタッツの良い挑発やシステムミニオンなどを駆使して、中盤からカードアドバンテージを稼ぎテンポアドバンテージへ繋げる。
ミニオン戦で1対2交換を目指し、サイズで負ける相手のミニオンには、中マナ域の優秀な単体除去スペルで対処する。
カードピックでバランスを取りやすいため、このミッドレンジ(中域)型がアリーナでは主流であろう。
安定力を最大の武器とするため、序盤の爆発力や後半の支配力には欠ける。
『コントロール型』
6マナ以上の大型ミニオンを充実させて優秀なA.O.Eを有する型。
ドローカードなどでリソースを確保した後、A.O.Eで小型のミニオンを一掃し、中型のミニオンは大型の挑発などでフェイスに蓋をして対処する。
ライフやアーマーを得る手段があれば、ゲームの安定性が上がる。
大型レジェンドミニオンなどを活かしやすく、カードアドバンテージに特化した型である。
各種パワーカードに依存するため、コントロール(支配)型もまたミッドレンジ型よりは少数派であろう。
後半戦の圧倒的な強さがあるが、デッキに入っているカードのマナが総じて重めなため、序盤に事故(身動きの取れない状態)を引き起こすリスクがある。
『コンボ型』
単体のみでは効果の薄いカードを、2枚以上組み合わせて威力を跳ね上げ、一気に勝負を決めにいく型。
所謂、O.T.K(one turn kill)を狙うデッキであるが、豊富なドローカードや特定コンボパーツの獲得など条件が厳しいため、コンボ(コンビネーション・ボーナス)型は、ランダムピック方式のアリーナでは滅多にお目にかかれない。
と、凡庸に書き記してみた。
ピックを終えて出来上がったデッキを、上記の型に当てはめてみるのも一興ではなかろうか。
とはいえ、どれにも当てはまらないような珍妙なデッキで0勝や12勝すれば、それもまた愉快である。
いずれにせよ、競い合いにおいて先ずは、相手を知る前に己を知るといったことが肝心ではなかろうか。
ここまで目を通してくださった方に感謝します。あなたのアリーナでの健闘を祈ります