日本人最強化計画。

CopyMouseHeadによるハースストーンアリーナ考察 blog

Hearthstone Arena 『カードゲームの基礎』

対戦型のカードゲームで勝つためには、毎ターンいかにして相手より優位性を保つかが重要である。

それはゲーマーの間で「アドを取る」などと言われたりするが、アドバンテージ(優位性)を取るの略である。

対戦相手のライフを先に0点にした者が勝利するというハースストーンのゲームルールの中で、アドバンテージとは一体どういった種類のものがあるだろうか。

ここでは大きく分けて2つのアドバンテージを記していく。

 

先ずは最も肝心な『テンポアドバンテージ』から。

テンポとは進行の速度であるが、毎ターン自然と1マナ獲得するハースストーンでは、当然先に動いた者が有利となる。

極端な話、先手1ターン目に1マナ30/30突撃というミニオンを出せればそれでゲームは勝ちとなる。しかし、それでは誰もこのゲームを面白いと思わなくなるので、1マナ2/1といったようなカードがパックに詰められて販売されている。

いち早く使えて攻撃力の高いカードが机上の空論としてのテンポアドバンテージであるが、負けないために対戦相手はこちらの進行を妨害してくるだろう。その妨害に耐えるには防御力が必要である。

つまり、精確にテンポアドバンテージを取るには、マナが軽く攻撃力と防御力の高さを兼ね揃えたカードが必要となる。

そのようなカードは「スタッツ(統計数値)が良い」などとハースストーン界隈では言われている。

毎ターン、マナを使い切ってスタッツが良いミニオンを出し続けることがハースストーンのアリーナにおける基本戦術である。

相手もターン毎にマナを使い切って競り合ってきたとしても、展開したミニオンのスタッツが悪ければ、それらに有用な特殊能力が備わってない限り、こちらが一方的にテンポアドバンテージを取った形になる。

判然としたカード格差が、このゲームにも存在する。

テンポアドバンテージを覆すカードがA.O.E(敵全体除去)だが、それを持っていなければ一度取られたテンポを取り返すのは困難である。

作られたデッキがテンポアドバンテージを取れるかどうかは、ピック終了時に決まっている、と言って良いだろう。

 

次は『カードアドバンテージ』について。

テンポが最も肝心とは言ったものの、相手のライフ30点を減らすためのカードリソース(資源)が無ければゲームを進めることは出来ない。

幸い、ゲーム開始時にいくらかの手札がプレイヤーへ与えられる。

与えられた手札を1ターン目に全てプレイすることは基本的に不可能である。

プレイ出来ないカードを手札に抱えているばかりでは相手に遅れをとってしまうので、やはりテンポが重要になってくる。

対戦型カードゲームにおいて、手札を使い切って相手に勝つというのは美しいことである。その様は一見、余裕がなく不恰好に映るかもしれないが、勝利に余裕など要らない。

手札を使い切って勝つということは、相手による泥々の妨害を振り切りながら、しっかりと与えられたマナを使い切って働き続けた証である。

逆に、大量の手札を抱えたまま何も出来ずに負けるのはどうであろうか。

欲望と怠惰にまみれた卑しい者の末路に思えないだろうか。

もしそういった負け方が多い様なら、デッキ製作時のマナカーブを見直すことを推奨する。

(マナカーブとは、デッキ内のカードを点数で見たマナ・コスト別に並べ、それぞれに含まれるカードの枚数をグラフにしたときに描かれるカーブのこと ※MTG Wiki 参照)

マナ・グラフが3、4コストのミニオンを頂点とした山を描ければ随分とデッキが使い易くなるだろう。

カードアドバンテージからやや話が逸れたが、それだけこのゲームではテンポアドバンテージが重要だ。先ず、テンポアドバンテージを目指して、その次がカードアドバンテージである。

簡単に説明すると、こちらが1枚のカードで相手の2枚のカードを処理すればそれがカードアドバンテージである。カードアドバンテージを取るというのは相手とリソース差をつけることである。

たとえば、相手の場に3/1ミニオンが3体並んでいる状況で、こちらが1点ダメージを与えるA.O.Eを1枚使えば3対1交換である。

または、相手の場に3/2と2/3ミニオンがいる状況で、こちらに3/4ミニオンがいる場合、2対1交換が期待できる。こういったトレードを狙い続けて積み重ねることで、相手とのリソース差が浮き彫りになる。リソースが尽きればテンポも取れないため、こちらのライフに余裕があれば一方的な勝ち試合となる。

スタッツの良いカードを取ることで、自然とテンポアドバンテージが取り易くなることを説明したが、同時にカードアドバンテージも取り易くなっていることに気がつく。

デメリット能力持ちの良スタッツミニオンでさえも、出すタイミング、トレードのやり方、相手のヒーローパワー次第では化けるのである。

要するに、アリーナで肝心なのはスタッツの良さなのである。カードピックなのである。これが基礎で、どこまで行っても基礎は大事である。対戦相手と高度な騙し合いのトリックをやりとりする前に、先ずは基礎力、己のピック感覚を培う勝負である。

 

ここまで目を通してくださった方に感謝します。あなたのアリーナでの健闘を祈ります