日本人最強化計画。

CopyMouseHeadによるハースストーンアリーナ考察 blog

Hearthstone Arena 『戦闘の立ち回り方』

 これまでの記事では、アドバンテージの概念やデッキ作りの初歩について考察してきたが、今回は基本的な『ミニオン戦闘』の立ち回りについて記していきたい。

 


 
ミニオンカードは、ハースストーンの戦略において基本且つ最も重要な役割を果たす。
ミニオン以外のカードにはスペルカードや武器カードがあるが、それらのほとんどは消耗品であり、使用すると盤面から消えていく。反面、ミニオンカードは破壊されない限り盤面に残り続ける。


一度だけマナを支払えば、そのほとんどは以降のターンから無償でパーマネント(永続的)として攻守に働くため、投資的に言えば複利のようなものであろう。ハースストーンではミニオンなくしては効率良く戦えない。スペルを軸としたコンボデッキ(フリーズメイジなど)を作りづらいアリーナでは尚更である。
 
 

さて、アリーナで最も重要なミニオン戦闘のやり取りに、プレイヤーの技術はどこまで介入出来るものだろうか。


ハースストーンで先ずプレイング技術の差が出るのは、フェイス(ヒーロー)を攻撃するかミニオンを攻撃するかの判断力であろう。
録画した試合をビデオで振り返ってみれば、各ターンに選択肢が細かく分かれていたことに気づく。負けた原因がカードの引き運だと思っていたものが、実は攻撃判断のミスであったりすることは珍しくない。人は完全でなく、ターンには時間制限がある。


対戦相手と渡り合うには、短い時間の中で直感的に正確な判断が下せるようにならねばならない。
そのためにも、幾らかの基礎的な戦闘セオリーを記していきたい。
 
序盤戦、双方のプレイヤーのライフは減っておらず、お互いの盤面に同スタッツの軽マナミニオンが出ているとして、こちらのターンではミニオンによる攻撃先の選択を迫られる。
フェイスかミニオンか。
基本的には、ミニオンに攻撃すべきである。トレード(相打ち)を狙うのである。
理由は、『バフ(ステータス上昇)カード』に対する警戒である。

例として、お互いの2/2ミニオン同士が睨み合っている状況で、こちらがフェイスに攻撃してそのままターン終了した返しのターン、相手の2/2ミニオンに+1/+1のバフカードが使用され、3/3にステータス上昇したミニオンがこちらの2/2ミニオンへ攻撃してきた。こちらのミニオンは一方的に破壊され、相手のミニオンは3/1として生き残った。これは相手がテンポアドバンテージを取った形である。

バフは、システムミニオンやスペルによって付与されるが、上記の例のバフカードがシステムミニオンだった場合、相手の盤面にはミニオンが2体並んだことになり、こちらのテンポロスは更に加速する。
こういった事態を避けるために、1対1トレードが可能な時には基本的に実行すべきであろう。

上記の例で、フェイス攻撃をせずミニオン同士のトレードを実行した場合、相手はバフカードを付与する対象を失うことになる。
バフカード自体はスタッツが脆弱で、付与する対象である他のカードに依存するため、単体では使用しづらい(或いは使用できない)。もし、対戦相手のデッキの中にバフカードが大量に用意されていたとしたら、こちらの変哲もないトレードがそのまま有効打になることもあるだろう。

いずれにせよトレードをしないという行為は、相手に選択の幅を与えるのである。

ちなみに、トレードのちょっとしたコツとして、オーバーキル(過剰攻撃)を避けるというものがある。体力が1のミニオンに対して2点与えて処理すれば、それは1点のオーバーキルである。そういった雑な処理をした後、相手の手札から強力なミニオンが出現し、1点足りずに対処不能になることは決して珍しくない。
 
 
ここまでトレードの有効性について触れたが、1対1トレードを繰り返すのみでは対戦相手との差は開かない。
テンポ、リソース、ライフのいずれかで違いを生み出さねばならないだろう。
やはり、序盤はテンポアドバンテージを取っていきたいところである。

テンポを取ることが、やがてリソースとライフを確保することにも繋がる。

では、どのようにテンポを失うことなく戦闘を進めて行くのか。
 
例として、こちらの4/4ミニオンで相手の3/4ミニオンを破壊したとする。自陣にはダメージを受けた4/1ミニオンが残った。が、相手の陣地にはまだ1/1ミニオンが2体残っている。このまま相手にターンを返せば、おそらく1/1ミニオンで4/1ミニオンをトレードしてくるだろう。そうなれば、先ほど一方的に勝ったトレードがほぼ帳消しになってしまう。どうにか4/1ミニオンを活かしたい。
と、ここで登場するのが『挑発ミニオン』である。

挑発ミニオンは、フェイスと他のミニオンを守備する役割を持つ。
ゲーム序盤はお互いのライフに余裕があるため、ライフアドバンテージは無視してテンポアドバンテージに専念したい。となれば、挑発ミニオンはフェイスよりも味方ミニオンを守るために用いるべきであろう。

上記の例で、相手にターンを返す前に1/4挑発ミニオンを場に出せば、ひとまず4/1ミニオンは保護され(相手がメイジでない限り)、テンポがキープされた形になる。
つまり、トレード後に生き残った攻撃力が高く防御力が低い状態のミニオンを、挑発ミニオンで守ることによってテンポアドバンテージが稼がれるのである。

挑発は攻守のギミック(仕掛け)として、アリーナでは必要不可欠である。
ただし、挑発ミニオンはバニラミニオンにスタッツが劣るため、取得する枚数には気をつけなければならない。デッキが挑発ミニオンだらけになれば、挑発の価値は下がるだろう。盤面が挑発ミニオンで埋まれば、対戦相手は攻撃ターゲットを選び放題である。的確なターン、盤面に1体のみ配置された時に、おとりとして挑発ミニオンはその真価を発揮する。極力、2体以上盤面に並べないようにするのがミソである。

然るべきタイミングで戦場をコントロールするために、常に挑発ミニオンを手札に1枚ストックした状態を作ることが望ましい。この条件は難しいところもあるが、意識を持つことが肝心である。
 
1対1トレードを基本とし、次に挑発を用いて1対2トレードを狙う。これが1つの戦闘セオリーではなかろうか。
 
 
 

ここまで目を通してくださった方に感謝します。あなたのアリーナでの健闘を祈ります